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Hello Agein〜昔からある場所〜



戦争が終わって、僕は月に来た。彼と過ごしたあのときを、どうしても忘れたくなくて・・・。
一緒にいたという証が欲しくて。
気付けば幼年学校の近くの公園に来ていた。


「来たよ・・・・僕たちの思い出の地に」

呟いたとて誰に聞かれるわけでもない。
聞いているとしたならば、流れる風やその風になびく草木だけだろう。
見上げた空はどこまでも続く青一色。さんさんと降り注ぐ光の下、キラはじっと空を見続けた。食い入るように、じっと。
昔もこんな風に空を見上げていた。見上げながらよく気の上で昼寝をしては、彼に散々怒られていた。
授業サボって何してるんだ、って。
こんな所で寝たら風邪引くだろう、って。



蘇るのは幼い日の記憶。






『もし落ちたら普通の怪我じゃ済まないんだぞ!?分かってるのか?』

『分かってるよーー』

『分かってない!!!俺何度も何度も同じこと言ってるんだけど』

『うぅ・・・』

『全くキラは・・・・』





そう言って、彼は呆れたように、けれど優しい微笑をキラに向けていた。




思い出に耽るのを止め、キラは重い足を動かし、次の目的地へと歩き始めた。
耳に残るのは、あの日の優しい彼の声。
目に残るのは、あの日の優しい彼の微笑。






次に訪れたのは、別れを告げた桜の並木道。
うっとりするくらい綺麗な花びらが舞い散る中キラは彼と別れを告げた。
それが、2人の道を別つときだったとも知らずに。
彼と別れたくなくて、でも彼を困らせるわけにも行かなくて、ぐっと涙をこらえていた。
ちょっとした望みをかなえ、トリィをくれた彼。
またすぐ再会できると信じていた。
でも、現実は残酷で・・・・・

「やめよ・・・辛気臭くなっちゃう・・・」

流石に今の季節花を開いた桜はないのだが、キラはまるで花びらが舞い散っているかのように手を揚げた。
昔誰かに聞いたことがある。

落ちてきた桜の花びらを捕まえることができたなら、願い事が叶うと。

聞いたときは別になんとも思わなかった。むしろ、嘘だ、そんな非科学的なことが起こるはずないと真剣に取り合おうとはしていなかった。

今更だったが、キラはそのとき試せばよかったと思った。
もしかしたら違う未来が訪れていたかもしれない。
あんな苦しくて悲しい思いをしなくてすんだかもしれない・・・・・。


僕は未だ後悔と罪の間に立ったまま
君への思いを捨てきれず
意味のない日々を過ごしている


「桜の花びら・・・・・・いつ咲くかなぁ・・・?」



キラは誰に聞くでもなくそう呟くと、その場を後にした。




数週間後――――
キラはまたあの並木道へと足を運んでいた。
あの日から、1日たりとも欠かさず、この地へ来るキラ。
もしかしたら花が咲いているかもしれない、彼がいるかもしれない、そんな淡い期待を抱きながらキラは真っ直ぐと、ゆっくりと思い出の地へと向かってくる。

「やっぱりまだ咲いてないか・・・・・」
見上げて端から端まで見るが、1つも咲いている花はない。大分蕾になりかけているものばかりだった。
桜の花が咲いたら、舞い散る時期になったら、キラはあのジンクスを試そうと思っていた。


望みが叶うならば、ほんの少しの間でいいから・・・・・


彼に、会いたい・・・・・




「あ・・・・・雨・・・」
その日も、何時間もそこにい続けていると、雨が降る時間帯になってしまった。
月に降る雨は自然のものじゃない。
人口のもので、降る時間帯すら計算され尽くしたものだった。
「久しぶりだな・・・・この雨も」
月に戻ってきてから、初めて降る雨。
キラは目を瞑り、ぬれることも、体が冷えることも構わないでその雨をその身に受けていた。
ひんやりとしていて、気持ちがよかった。
子供の頃もよくやって風邪は引かなかったものの彼に怒鳴られた。

「今思うと、僕ってアスランに怒られてばっかだったな・・・・」

ほとんど喋らなくて、そこがいいと言う女子や、とっつき難いと言う男子の言葉を聞くとキラはどうしても笑をこらえていなければならなかった。
自分にはあんなに口うるさいのに、と。
物静かな彼なんて考えられなかった。


それからどのくらい雨に打たれていただろうか。
今日の雨は何故か止むことがなかった。ずっと降り続けている。
だが、キラは気にすることなく、空を見上げすでにかなり冷え切った体を更に冷やしていく。


すると、突然視界が懐かしい緑に染められた。


「え・・・・・」
「全くキラは・・・・・何度同じこと言わせればいいわけ?」
耳に響くのは、聞き覚えのある声。
「いくら丈夫に出来てるからといって風邪ひかないなんてことはないんだよ」
呆れたように、でも優しく諭すように
「って、聞いてるの?キラ」
肩を?まれ後ろを振り向かせられると、そこにはずっと会いたいと願っていた人がいた。
機嫌が悪いらしく少し怒った顔をしていた。
「キラ?」
「・・・・アス・・・・・ラン・・・・?」
「うん、俺だけど・・・・。誰だと思ったの?」
嬉しすぎて声が出なかった。体も動かなかった。
微笑むアスランは濡れて完全に冷え切った僕の体をこれ以上濡らさないように傘で庇いながら、僕の頬へと手で撫でた。
「こんなに冷え切って・・・何時間ここにいたの?」
「・・・・・んで・・・・ここに・・・・いるの?」
「え・・・・」
「だって・・・まだ僕桜の花びらつかんでない!!?んでないのに願い事叶うはずない・・・・」
「でも俺は本物だよ?」
そう言って彼は僕の手をとると、自分の頬へと持ってこさせた。
「ァ、アスラン!!!!」
「俺は確かにここにいて、キラの傍にいる。それだけじゃ・・・駄目?」
「・・・・・・・ううん・・・・・」
必死でキラは首を振りながら、2度と離さないといわんばかりの力でアスランに抱きついた。
それに答えるかのように力強く抱きしめ返してくるアスランの胸で、キラは久方ぶりの涙を流した。


雨は、上がっていた・・・。




「大体キラはいっつも・・・」

「そういうアスランだって・・・」



戻ってきたのは、待ち望んでいた居場所。
昔から、ずっとあった場所。





「これからもよろしくね」

「こちらこそ」



戦後という設定で書いたのですが・・・・何か尻切れトンボ〜〜(涙)
しかも今相河は定期的に襲ってくるスランプの絶頂期なので
ある意味リハビリ作品だったのですが、 全然駄目でしたね・・・・。精進します。
これはある歌より作りました。有名・・・です、多分。(相河こういうのにはかなり疎いので)
この歌大好きなのですvv
2003/7/21/mon




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